胃瘻とは
現在、高齢化社会において脳卒中、パーキンソン病や認知症などの患者様が増加しています。 そのような患者様方は物を飲み込む能力が落ちたり、食事を拒否することがしばしば見られます。従って、この際の栄養管理が問題となります。 このような患者さまの栄養管理の方法には2種類あります。
一つは点滴です。二つ目が経管栄養といわれる方法で、これには鼻から管を胃に入れる方法(経鼻胃管)とお腹から胃に入れる方法(胃瘻)があります。 前者は鼻から管が見えるため、見た目にも悲壮感があったり、患者様自身に鼻からのどにかけての違和感や不快感があるため、しばしば自分で管を抜いたしまうことがあります。
それに対して後者は直接お腹から胃に穴を開けるため自分で管を抜く心配や誤飲の危険も少ないため、最近では胃瘻で管理されている患者様は非常に多くなっています。
胃瘻は本来、在宅介護のための栄養補給の方法であり、管理が楽で日常生活を送る上での制限もほとんどありません。在宅介護にとって患者さんのみならず介護者様にとっても有益な方法です。
胃瘻は胃カメラで行う短時間の手術(20~25分)のため、抵抗力の低下した患者様には有効な手段であり、比較的安全な手術です。しかし、いかに安全な処置でも患者さんの状態によっては手術が出来ない場合もあります。
例えば、全身状態が悪い、胃カメラが通過できない、以前に胃の手術をしている、腹水がある、血が止まりづらいなどの症状がある場合がそれに当たります。